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森を知ろう! ~道民の森を例に~

道民の森について

 「道民の森」は、昭和60年の「国際森林年」を契機に北海道が当別町、月形町に所有する約1万2千ヘクタールの森林の中に整備した森林総合施設です。
 平成20年からは、道民の森にある「水源の森」エリアで、道民の参加協力により植樹・育樹の活動が行われてきました。今までに約2万1千人の道民がこの活動に参加し、その結果、アカエゾマツやミズナラなどの苗木約12万4千本が植樹されました。また、道と企業が協定を結び、森を育てる活動も行われています。これまでに、協定を結んだ19社が当地で活動をされてきました。

森林の維持に欠かせない「育樹」

 道民の森では、植樹が行われたあと、5年間は草刈りなどを中心とした「育樹」が行われます。イタドリなどの草は、1年で2~3mほど成長してしまい、放っておくと植樹した木の光合成を阻害し、成長に影響が出てしまいます。したがって、光合成が十分できる高さに木が育つまで草を刈り、光が十分に当たるようにしてあげる必要があります。森はこのように、植樹後も草刈り・間伐などの人による「育樹」という維持管理がとても大切です。道民の森では、このような活動も協定先の企業・団体や道民の方々によって行われています。

 大きく育った木はやがて伐採されますが、それまでには長い年月がかかります。例えば道民の森に植樹されているアカエゾマツの伐採樹齢は、80年から100年、ミズナラになると100年以上の伐採樹齢となる木も珍しくありません。人工林は、「植樹」、「育樹」、「伐採」という循環を繰り返していきますが、道民の森内の「水源の森」では、植樹活動が始まってまだ十数年、木の一生から見ればまだまだ若木です。これからも持続的に「育樹」を続けていくことが必要です。

道民の森

環境への貢献

 木を植えて育てることで、森林が雨水を蓄えてきれいな水を作ったり、洪水を防ぐ機能を回復させることができます。また、樹木は、二酸化炭素を吸収して成長することから、地球温暖化の原因とされているCO2の削減につながる天然の装置ともいえます。

 国連が定めたSDGsのゴール15は、「陸の豊かさも守ろう」です。道民の森をはじめ、道内各地で民間企業・団体が中心となって行っている植樹・育樹活動の取り組みは、このゴールの達成につながっています。森林の減少を食い止め、劣化した森林を回復させるために、新しく木を植え、森を作り、長い時間をかけて維持していくことが、そこに生きる動植物を守り、人間が住みやすい環境を守っていくことになります。

SDGsの目標達成年である2030年まで、あまり時間がありません。一人ひとりの行動が、今まで以上に求められています。

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